作品紹介
大恐慌を迎え暗く厳しい時代のロンドン。バンクス家の長男でありかつて少年だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、今では自らの家族を持つ親となっていた。
かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたち、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)と共に、桜通り17番地に暮らしていたが、ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、更にマイケルは妻を亡くしたばかりだった。
子どもたちは「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかず、家の中は常に荒れ放題。さらに追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家を失う大ピンチ!
そんなとき、魔法使いメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風に乗って彼らのもとに舞い降りた。
20年前と同様にバンクス家の子どもたちの世話をしに来たと言う彼女は、一風変わった方法でバンクス家の子どもたちの “しつけ”を開始。
バスタブの底を抜けて海底探検をしたり、絵画の世界に飛び込み、華麗なるミュージカル・ショーを繰り広げる。
そんな彼女に子供達は少しずつ心を開き始めるが、実は彼女の本当の魔法は、まだまだ始まったばかりだった…。
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作品の評価
(3.6)
スタッフ
監督
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- ロブ・マーシャル
製作総指揮
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- カラム・マクドゥーガル
出演者
- メリー・ポピンズ:エミリー・ブラント(平原綾香さん)
- ジャック:リン=マニュエル・ミランダ(岸祐二さん)
- マイケル・バンクス:ベン・ウィショー(谷原章介さん)
- ジェーン・バンクス:エミリー・モーティマー(堀内敬子さん)
- エレン:ジュリー・ウォルターズ(木村有里さん)
- ミスター・ウィルキンズ:コリン・ファース(森田順平さん)
- トプシー:メリル・ストリープ(島田歌穂さん)
感想(若干ネタバレあり)
舞台は世界大恐慌のロンドン。
「メリー・ポピンズ」のオープニングは、煙突掃除屋のバートが愉快な音楽を奏でながら登場したオープニングが印象的でしたが、リターンズは街灯点灯夫ジャック(リン=マニュエル・ミランダ)が自転車をこぎながら歌って登場します。

リン=マニュエル・ミランダ
この始まり方も、どこか「メリー・ポピンズ」を彷彿とさせて、いよいよあの不思議な世界観が始まるという期待感が高まっていきます。
大人になったバンクス姉弟
「メリー・ポピンズ」でバンクス一家が暮らしていた家には、マイケル(ベン・ウィショー)とその子どもたちが暮らしています。姉のジェーン(エミリー・モーティマー)は近くのアパートで独り暮らし。

ベン・ウィショー

エミリー・モーティマー
お母さんが見当たらない、と思ったら、亡くなってしまったようです。
マイケルは画家として活動しながら、銀行でも仕事をしていました。
しかし、家計の管理は亡くなった妻が全ておこなっていたそうで、以前銀行で融資してもらったローンを返すことができず、ついには自宅を差し押さえられてしまいます。
取り立て屋がやって来て、途方に暮れるマイケルでしたが、父が残してくれた銀行の株があるかもしれない、とジェーンが言い出し、必死に株券を探し始めます。
いくら探しても株券は出て来ません。
屋根裏をひっくり返している中で子どもの頃に遊んだ凧が出てきますが、マイケルは「もうこんなガラクタはいらない」と捨てに出します。
この凧、「メリー・ポピンズ」のラストシーンでバンクス一家が凧あげを楽しんだ時のもので、観ている方はああっ!この凧は・・・!と切ない思いでいっぱいに。
傍で見ていたジェーンも何とも言えない表情で、それがまたグッときました。
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飛ばされた凧を届けてくれたのはメリー・ポピンズ
捨てられる直前に、マイケルの息子ジョージーが凧を見つけ出し、公園に持っていき凧あげ遊びをしはじめますが、風が強く、飛ばされてしまいます。
その飛ばされた凧を捕まえて上空から降り立った人こそ、返ってきたメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)でした。

エミリー・ブラント
子どもたちと共にバンクス家に戻ってきたメリー・ポピンズを見て驚くマイケルとジェーン。
このシーンのメリー・ポピンズの「マイケル、またそんなに口を開いて。魚みたい。ジェーンも、相変わらずすぐに笑うのね」という台詞が、子ども時代のジェーンとマイケルとメリー・ポピンズの初対面のやりとりで、ファンにはたまらないシーンでした。
メリー・ポピンズは「今のマイケル・バンクス家には子どものお世話が必要でしょ」と言って「扉が開くまで」この家にいると宣言します。
めくるめくメリー・ポピンズのイマジネーションの世界
バンクス家にやってきたメリー・ポピンズは、お得意の魔法で子どもたちをイマジネーションの世界に誘います。
「メリー・ポピンズ」でもすっかりお馴染みとなったアニメーションと実写のコラボレーションで、楽しい世界に連れて行ってくれます。
メリー・ポピンズと一緒にいると、不思議な事ばかり起こりますが、子どもたちは次第にそんなメリー・ポピンズを受け入れ、懐き、そして大好きになっていきます。
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圧巻の街灯点灯夫たちのパフォーマンス
劇中には、街灯点灯夫ジャックとその仲間たちの一糸乱れぬ圧巻のパフォーマンスを楽しむ事ができるシーンもあります。
街灯と自転車とハシゴを巧みに使ってアクロバティックなダンスを楽しそうに踊る様子は見ていてとてもワクワクしました。
まるで目の前で舞台を観ているような気分になり、このシーンが終わったところで拍手したくなってしまいました。
果たして株券は見つかったのか!?そして「扉が開くまで」とは・・・
メリー・ポピンズがやって来てからマイケル・バンクス家の子どもたちは明るく子どもらしくなり、様々な事を学びます。
しかしマイケルには、期日までに借金を返すために株券を見つけなければならならず、なかなか見つけられずに不安と諦めの気持ちが大きくなっていました。
マイケルは無事株券を見つける事ができるのか、そしてメリー・ポピンズの言った「扉が開くまで」とはどういう意味なのか、気になるラストは是非劇場で!
とにかく「メリー・ポピンズ」ファンにはたまらない作品でした。
ジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズに全く引けを取らない、チャーミングでノーブルなエミリー・ブラントのメリー・ポピンズ。
バートのような立ち位置で登場するジャックも、劇中にちょこちょこ登場する「メリー・ポピンズ」の名曲のオマージュも、メリー・ポピンズの魔法の世界に飛び込む瞬間の演出も、全て「これこれ!!」と思えるような演出でした。
忘れていた子ども心を思い出させてくれる、そんな大切な作品です。